病院を逃げ出して来ました。

意外な速度で快方に向かい もうじき正規の許可が出るところで とんでもない 事故が起きてしまいました。

夜中の2時過ぎ フトした弾みで折りたたみの椅子が滑ってしまい 座りこんだわたしをそのままに 椅子が前方へ吹き飛んでしまいました。

身体は尻から見事にフロアーに落下、体重を右手の関節の先と 腕と手の平の間の関節部分で受けました。 スローで見る限りここまでは正解でしたが尻を床まで落としてしまったことは不正解でした。
右側の足は左側を向いて 前方へ投げ出されてしまい 左側の足は膝を内側へ向けて足先は外側へ向けて前方へ投げ出されてしまいました。

尻を落としてしまうと 現在では立ち上がれません。

捉まるものはありません。おまけに開放してあった大部屋のドアーは頭と接触した際に閉じてしまいました。

これで 外部の廊下とは遮断です。

大声を揚げるわけにはいきません。

とにもかくにもドアーを開けねばなりません。

ひとりで頑張りましたが 流木を河原の中で拾うのとは違います。 病院の中です。看護師が常に巡回して廻っています。
閉まったドアーは何とか明きました。
後は 看護師が気が付いてくれるのを待つだけとなりました。 

長い時間 待ちました(実際には数分でしたでしょう)

が、女性4人の看護師が揃うのには やはり時間がかかります。
わたしの身体は4人でないと持ち上がりません。

ところが その後が大変でした。 あくまでもわたしのせいにしなければなりません。
この事故は 何が何でもわたし一人のせいにしなければなりません。

そしてすべてが 快方に向かっている現在を 後戻りさせる訳にはいかないのです。たとえ 嘘が混ざっていようとも・・・。

そして退院日です。 ろくに歩けないのに歩ける振りをしながら 必死の逃避行です。
荷物を落としては それを拾う振りをしなが ゆっくりとゆっくりと 家内の運転する車に乗り込みました。



左の足が言うことを効きません。
本来ならば 自分で運転するのですが
しばらくは自宅療養です。