感謝したい「石」の注文

今度は、こんなに長い流木にとりかかりました。

工程を辿りながら例のごとく作業を進めたいと思いますが、途中でこの2〜3日に起こった珍しい出来事を記したいと思います。

次にお話しするのは、この流木ではありません。


或る日、Aさんから石の注文がありました。
「家族同然に飼育しているザリガニにあげる水と海水を入れるための容器を2個ほしい。」
ガラスの容器の形が複雑なため、石の大きさについてやりとりしたメールの回数12回。
こちらは、探し廻ったが適当な物がどうして見つからない。挙句の果てにはお断りしてしまいました。
「石屋さんに頼んで、大理石で作って貰いなさい。大理石は非常に軟らかくて細工がしやすいですよ。」
と、お断りしました。
でも待てよ、要は水の入るものであれば良いのだ。形なんか目じゃあない。自然石の良さは何処かに飛んで行っちゃえ。とばかりに半ばやけになって適当な石は無いかと探し廻りました。

ありました!この2個の石を組み合わせれば済むのだ。とばかりに久し振りに石の道具を引っ張り出して、加工をはじめました。
一旦出来上がった花器に手を加えることは、割れてしまう恐れがありますので避けておりましたが。
「どうせ売れない石の塊だ。やれ!やれ!」とばかりに石に挑みました。一旦は出来たので、またメールしました。
が「どうも入らないらしい。」とカタログが送られてきました。容器に複雑なこう配がついております。「これでは寸法をとるのは難しいわけだ。」
思い切り小さくしてみました。これならいけるだろう。
よくぞ割れずに最後まで頑張ってくれました。ね、花器さん。


ここからが本題。この作業で得た教訓は
1、長らくほっぽり出しておいた道具が錆付いておりました。この注文が無かったらどうなっていたことでしょう。「錆止めは念には念をいれて。」
2、以前石の作業をする時、故障が絶えなかったロータリーハンマードリルのことです。1日に5〜6回、自分でバラして組み立てて直しておりました。そこで考えました。「これには1個の部品が必要だ。作ってしまえ。」それはそれは小さな部品です。これを入れてからは故障をしませんでした。が、この期間が短かかったので心配をしていました。
この度まる1日叩き続けていて1回も故障をしなかったのは「正解かも知れない。」


「自然石」に目を付け注文してくれた Aさん、 ありがとうございました。あなたのお陰で2個の課題が解けました。

花器は見る影もないほど変身してしまったけれど、容れものとしては用を為すでしょう。送りましたよ。花器だったものをーーー